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なぜ間伐が必要?  なごみが出来るまで      
◆ 今なぜ間伐が必要なのか? ◆

森の間伐はなぜ必要なの?

人間の命の源でもある森林が荒れ、危機的状況にある。戦後造林された人工林の間伐が進まないのが、大きな要因だ。なぜ間伐が必要なのか、間伐が進まないとどうなるのだろうか



間伐の役目ってなに?

 世界で34億5千万ヘクタール、日本 では国土面積の7割弱にあた る2515万ヘクタールを占める森 林は、人間をはじめ生物が 生きていくうえで欠かせな い機能をいくつも担ってい る。
 最も大きな役割は大気の浄 化作用"森林は地球温暖化の 大きな要因となる二酸化炭素 (C02)を吸収し、光合成 をして酸素を作り出す。日本 では約4500万台の自家用 車が年間1億3500万台の C02を排出しているが、森 林は1億トンのC02を吸収。 一方、はき出す酸素は730 0万トンで、国民が呼吸する2 .6倍にあたる。
 山地に降った雨を地中にた める「緑のダム」の役割も重 要だ。豊かな森林では雨水 のうち60%を地下水として 蓄える。地中のバクテリアの 作用などで水質も浄化され、 プランクトンなどの養分を含 んで流れ出た海で魚を育て る。
 さらに土砂災害防止、野生 生物の生息などがあり、こ れらの機能をお金に換算す ると、日本の森には約75兆円 の価値があるとされている。
 間伐をしなければ森林は、 これらの機能を十分に発揮で きない。木々が密集すれば1 本ずつに栄養が行き届かず、 ひょろひょろと細長く弱い、 風雪で折れやすい木に育つ。 地面には日光が届かず、下草 が生えないため地表が雨で流 されやすくなる。ぜい弱な地 面になり、土砂災害なども誘 発する。



間伐が進まないのはなぜ?

 日本の人工林は森林面積の 41%にあたる1千万ヘクタール。その うち4割は間伐などの手入れ が必要とされている。
 戦後の造林政策により植林 され、間伐する限界ともいわ れる樹齢50年程度の森林が 多い。林野庁では毎年500 億円程度の予算で都道府県 の間伐を促進する「緊急間伐 総合対策」を実施。00年度か ら5年で計150万ヘクタールの森 林を対象に間伐を急いでい る。
 しかし、間伐には労働力や 資金がかかる。人件費や設備 投資を賄うためには、間伐材 を運び出して販売するしかな い。だが材価が安い輸入材に 押されて下がり続け、一般的 なスギでは立木価格で1立方 メートルあたり80年の約2万2千円 をピークに、輸入材が80%を 占めた99年にぱ8100円余 まで下がっている。
 間伐をすればするほど赤字 になるようでは、山主も間伐 に二の足を踏んでしまう。 そしで間伐されないまま樹 木が密生してくると、ただで さえ難しい部類の作業である 間伐が、ますます困難にな る、という悪循環に陥つてい る。



どうすればいいの?

 間伐材が安定した価格で売 れれば、間伐も進む。国も昨 年4月に国や自治体に間伐材 の利用促進を義務づけた「グ リーン購入法」を施行するな ど、後押ししている。そして 安定して大量の木材を利用で きるとして期待されているの が、公共事業への利用だ。
京都府は、治山ダムヘの間 伐材利用を本格的に始めてい る。
 府内の森林は約34万5千 ヘクタール。人工林は約12万3千ヘクタール で、そのうち4割は間伐が必 要とされている。。問伐材の利 用法を検討した結果、99年度 から木製治山ダム事業を始め た。
 01年度末で13基が稼働。高 さ2-3メートルのダムで、1基あ たり30-100立方メートルの間伐 材を組み合わて造る。単純計 算で9-12ヘクタールの森林から出る 間伐材の量にあたるという。 費用も総額700万-900 万円ぐらいで、コンクリート 製の治山ダムと同額か安い程 度。府では今後も導入を進 め、02年度も11基の建設を予 定している。
 また、生活用品などへの利 用も様々な模索が続けられている。
 全国森林組合連合会では、大手事務 機メーカーと協力して、 スチールを使わない完全 木製の学校机の開発に乗り出した。
 また、木材を薄く切って張り合わせて 皿にする「ウッドトレー」を商品化。食品トレー やバーベキュー用の皿に活用できる。 さらに毎年「間伐・間伐材利用コンクール」を開いて、 可能性を探っている。
 三重県科学技術振興センター では、チップ状にした間伐 材を炭にして、貝殻などと樹 脂で固めた新素材を開発。 腐らず寸法安定性に優れて おり、フローリング素材など への利用が考えられるとい う。
 財団法人・土木研究センタ ー(東京都)は、一般道路の ガードレールとして間伐材を 利用する研究を続けている。 国土交通省の設置基準にも合 格して、今後の活用法として 有望だ。
 さらに、燃焼材やおがくず でトイレのし尿を分解処理す るなどの「バイオマス」利 用、高速道路の防音壁、河川 の護岸、魚礁などへの利用が 実験され、実用化も進んでき ている。

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